_ 金曜日、帰りに映画を観る。普段見ないような映画なんですけど『眉山』。親子とか愛の物語には、普遍的な枠組みがあってこその物語というものが存在するんだな、其れを求める人たちの気持ちもようやく分かってきたような気がする。乗り換えの駅に着くとホームに上がる階段下に人が集まっている。階段から落ちたらしい人の頭からかなりの量の血が流れていて駅員が頭を押さえていた。何か出来ることはないかと見守る人、何も出来ないと思って立ち去る人、興味を持って見守っている人、興味がなくて立ち去る人、人の反応は様々。やがて救急隊員が来て運ばれていくのを見届けて残った人々も立ち去って行く。
_ 土曜日、のんびりと起きて渋谷ウィンズへ行き6Rから買う。最終の中京の馬複80倍を取ったおかげで回収率は120%ほど。お昼は親子丼のお店でとろとろ半熟の親子丼を食べて、山下書店でコミックと文庫本を買ってから青山まで歩く。円形劇場で、NYLON100℃を観る。岸田國士戯曲を何本か集めてコラージュした作品だけど相変わらず3時間の公演。青山通りに何時の間にやら出来ていた古本屋に寄り『怪しい来客簿』色川 武大 文藝春秋、『プールサイド小景・静物』庄野 潤三 新潮社、『均ちゃんの失踪』中島 京子 講談社 を購入。聖書関連の著書も結構あったので今度寄ったときに買おうっと。渋谷に戻りTSUTAYAで映画のチケットを買って、コミックと文庫本を購入。ユーロスペースで整理券をもらい、30分ほど時間があったので目の前の立ち飲み屋でビールと焼き鳥の夕食をとる。隣のカウンターで飲んでいたインテリア業界に勤めはじめた若者たちの話が面白かったのであやうく開演時間に遅れるところだった。『14歳』の初日だったせいか、ロビーは非常に混んでいた。僕が観たのはカンヌ審査員賞受賞の『フランドル』。渋谷駅から湘南新宿で帰ろうかと思ったら1時間ほど遅延しているらしく、仕方ないので品川まで出る。読みはじめた『フルタイムライフ』柴崎友香 に興がのってしまったので空いているであろう京急の各駅の乗りのんびりと帰ることにする。目の前に座っていた男性が音楽を聴きながら、にこやかに(かつ不気味に)体を揺らしていたので、鬱陶しいのが前にいるなと思いながら読書を再開。スターダストレビュー6時間ライブおやつ付きとか言う袋を抱えていたので、ライブ帰りなのだろうなと思ったけれど、帰ってからネットでライブは録音可能という記事を見つけてああなるほど余韻に浸っていたのねと納得。大森あたりにくるとこのあたりにある工場や物流センターに努めているであろう人たちが飲み会帰りのご機嫌な姿で時節乗ってくる以外は人もまばらで、なんだかとっても快適。結局途中で乗り換えもせずに1時間ほどかけて横浜に着き、その間に読み終える。美大から事務職に就職した女の子の大阪でのOL生活の10ヶ月を書いた作品だけど、会社のおじ様たちへの戸惑いや、先輩たちとの関わり合い、どこかのんびりとした会社での仕事を覚えて行く過程なんかはとってもリアリティがあって親近感がわく。柴崎さんの描く作品のやわらかな質感は好きだなあ。