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2006-05-01 『ファンタジスタ』星野智幸

_ 4/29(土)

午後からの芝居を観にいく前に渋谷へ寄る。8分25秒ほど起きるのが遅れたせいか観たい映画に間に合わず。タワレコでシュガー・ベイブ『SONGS 30th Anniversary Edition』を買い、三省堂でツイ大量に本を購入。

『ファンタジスタ』星野智幸 集英社

をカフェで読了。震えが来た。小林恭二-古川日出男のラインさえ読んでいれば望むべき刺激的なブンガク的冒険を味わえると思っていたが、改めて星野智幸も追うべきだと思った。表題作の、サッカーではなくフットボールが根付いた架空の日本を舞台にした元プロ選手が立候補した首相公選をめぐる物語に描かれた国家のシステム的な方向性は『ゼウスガーデン衰亡史』のようにスリリングなものだ。カリスマとなる首相候補への主人公の肉体的センスによる違和感と首相候補と対になる元世界的プレーヤーへの官能描写、首相候補と対比するべき元女性プレーヤーが描ききれなかったのが作者の言うとおり惜しいところだが、個人と国家の関係性とビジョン-幻想を描いた作品としては傑作といっていいと思う。ああ、『魔王』伊坂幸太郎 が気に入った人は読んでみるといいのでは。『文藝』の星野智幸特集も即座に購入。

シモキタで3時間超の芝居を観たあとに渋谷へ戻り、飲み会が中止になったので『私立探偵 濱マイク』を観る。映画館には観客が6人ほどといった寂しくも過ごしやすい環境。面白かったあ。今週も2回ほど観にいこうっと。『ファザー・サン』も観ようかと思ったが余力のあるうちに帰ることにする。電車で『陽の子雨の子』豊島ミホ 集英社 を読了。思春期の、それを抜けきれない自意識を巡るテーマ、これまた傑作。 豊島ミホは心地よいなあ。新刊も買おう。


2006-05-08 5月の五日間

_ 5/2(火)

仕事帰りに映画を観にいく。映画館周辺の通りには一気に店が出来た感があり色々眺めてしまう。明日からの休みを想いワクワクして眠れず。

_ 5/3(水)

湘南急行で渋谷まで。電車もいつもより混んでおり渋谷駅では家族連れを多く見かけるにつれ大型連休を実感する。マークシティを抜けて馴染みの映画館へ。終了後は道玄坂から桜ヶ丘に抜け映画の整理券をもらいカフェでゆるりと読書。

_ 5/4(木)

朝はジムへ行く。空いていて泳ぎやすい。一旦自宅へ帰り歩いて最寄り駅まで歩く。昨日買った『愛より強く』のサントラがフィットする世界に感謝をする。中野まで出て開演時間まで静かな南口のフレッシュネスバーガーで珈琲を飲みながら読書。芝居を観てほのぼのとした気分になったのでのんびりとバスで移動するかあと思い幡ヶ谷経由の渋谷行きに乗り見慣れない街を眺めながら『みんな元気。』舞城王太郎 を概ね読み終える。池尻大橋で待ち合わせの時間までドトールでボーっとする。お店はブラッスリーとして平均レベルで日常として使用できる範囲でのフレンチといった感じ。体調が心配なお年頃のせいか、ふたりでワインを1本のみしか飲まない弱気っぷり。

_ 5/5(金)

湘南新宿ラインで与野本町まで。芸術劇場の併設カフェで生演奏を聴きながらパスタセットを食す。終演後、舞台そのものの吸引力と悲劇の余韻に浸りつつ駅まで歩く。途中スンゴク美人さんな犬と遊ぶ。渋谷へ戻り映画が始まるまで三省堂のカフェで読書をする。ここ3日間ほど持ち歩いていた『ソラニン 2』浅野にいお を読み終えてボクのモラトリアムはずっとエイエンに続くんではないの?とか思ったりする。

_ 5/6(土)

またまた行ってしまった濱マイクを観終わって道玄坂のフレッシュネスカフェで昼食をとる。公開間近な『間宮兄弟』江國香織 を読了。天気が良いので散歩をしようと思い立ち渋谷駅から等々力方面のバスに乗り駒沢公園に寄りぶらぶら歩く。等々力駅に着くとちょーどバレエスタジオから出てきた後頭部をお団子にした女の子たちの集団がいた。『ボリショイ・バレエ』を観にいけば良かったかなあとふと思ったりする。大井町線で三軒茶屋に行き、小ぶりな東急バスに乗り込む。多摩川沿いで途中降り立ち、野球少年たちや陽の光に寛ぐ人たちの表情にシャッターを下ろしたり、昨日観た『君とボクの虹色の世界』を思い出し、ふとしたことで出会う世界やボクの世界を象るピースひとつひとつはやっぱりまず歩き始めることから始まっていくんだと実感をする。夜に聞こえてくる蟲の音色が土のある場所から聞こえてくるといったごく当たり前の世界さえも。多摩川駅に着き東急で関内へ向かう。カフェで『星々の舟』村山由佳 を読了。


2006-05-11 本を読む日々

_ 不本意ながら

今週は残業復活。嫌々〜な広報仕事などで心が弱ってきているので、家に帰ったら川原泉を読みながら寝ることにしている。心が暖まる。

最近はまた本を読むのが楽しくなってきた。外で考え事をしながら本を開いたり閉じたり周りの情景と物語を交錯させたりしながら楽しんで読んでいる。文芸書にある紐の色さえも美しいと見惚れる日々。センチメンタルなだけかもシンナイ。昨日は、買い逃していた本や最近好きな作家、新刊を買う。

『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎 講談社

『はなうた日和』山本幸久 集英社

『陽気なギャングの日常と襲撃』伊坂幸太郎 祥伝社

『ぐるぐるまわるすべり台』中村航 文芸春秋

『イッツ・オンリー・トーク』絲山秋子 文芸春秋

_ GWに読んだ本

『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信 東京創元社

『あおい』西加奈子 小学館

『みんな元気。』舞城王太郎  新潮社

『白戸修の事件簿』大倉崇裕 双葉社

『私が語りはじめた彼は』三浦しをん 新潮社

『間宮兄弟』江國香織 小学館

『星々の舟』村山由佳 文芸春秋

『夜の朝顔』豊島ミホ 集英社

『レフト・アローン』藤崎慎吾 早川書房

『吉永さん家のガーゴイル10』田口仙年堂 エンターブレイン

『涼宮ハルヒの陰謀』谷川流 角川書店


2006-05-21 『ダック・シーズン』

_ 『はなうた日和』

予想外の晴れで嬉しい朝。文庫本2冊と単行本1冊とGBMを鞄に入れ、モスグリーンのジャージとキャップを身に着け外出。田園都市線の各駅停車でのんびりとLucyを聴きながら、世田谷線沿線を舞台にした連作集『はなうた日和』山本幸久 を読む。今の自分を抱えながら生きていていいんだよと優しいメッセージを感じ取られる小品集に感じ入り、世田谷線に乗っていこうと思い立ち三軒茶屋で下車。TSUTAYAで『カルチョビット』と中古の『ローグ・ギャラクシー』を買い、本も物色し時々覘いていたサイトが単行本化した『東京R不動産』を購入。最寄のカフェでランチをとり世田谷線に乗り込む。ついパスネットを入れる場所は?と探すが駅員のおっちゃんに使えないよと言われ¥200を払って発車間際の電車に乗り込む。DSのタブン?英語漬を懸命にやる女性が抱えたペット用の籠にいた物憂げなフェレットや路線まで伸びてきた民家の草木を刈る駅員たちを眺めながら山下駅まで。小田急の豪徳寺駅横のサンマルクカフェでいちごミルクを飲みながら先ほど買った『カルチョビット』をスタートさせる。簡単育成サッカーゲームのドット絵に和みながら2試合ほどやっていずれも負ける。各駅で下北沢へ。待ち合わせていた人たちと逢い駅前劇場で芝居を見る。咳き込むほどの大笑いをしたあと、雨の下北から渋谷へ。ここで別れてTSTUTAYAで映画のチケットを買う。『ファザー、サン』を観るつもりだったけれど気が変わりメキシコ映画を観ることにして宮益坂へ向かう。イメージフォーラムで整理券をもらう際に先着でもらえるプレゼントのダックくんを受け取る。スターバックスで珈琲を飲みながら、配給会社の人だろうか?青山通りの路上に出たダックくんの着ぐるみを着て宣伝をする女性を眺めたり、『とるにたらないもの』江國香織 を読み始める。暖かな少女の感性と大人のこだわりを持つ江國さんならではのエッセイを堪能。映画館では開演まえにメキシカンポップカルチャー入門編といったトークショーが行われた。80年代以降のアメリカから南米もしくは源流回帰のアートシーンなどといったことが語られる。映画を心底楽しんだあと渋谷へ戻りバスで等々力へ向かう。『東京R不動産』をパラパラとめくる。ひとりひとり確実に減っていく寂しさあふれる詩情がバスに乗る醍醐味なのかもと最近思う次第。等々力で鮨を食べようかと考えたが、やはり予約をしないと無理だったようだ。仕方なく地元でパスタを食べる。

_ 『ダック・シーズン』シアター・イメージフォーラム

POPな快作!とある団地で留守番をし、コーラやお菓子、ゲームを楽しむ少年二人。度々停電するなか、隣の少女がケーキを焼きにオーブンを借りに来る。ふたりは宅配ピッツァを頼むが、配達の遅れを理由に支払いを拒否し、配達スタッフも家に居座ることになる。

場面ごとのセンテンスを短く会話や映像でひとつひとつオチをつけつつも全体の流れは緩やかな感じ。4人が内面に抱えたものをしっかりと追いつつもメキシコの社会的な側面や詩情感あふれる描写も浮かび上がらせる。とてつもなくセンスが良い作品だ。今年一番かも。この監督の作品はNHKサンダンスの賞を取ったとのことで日本との共同制作の作品が次回作らしい。楽しみが出来た。


2006-05-24 週明けの日々

_ 月曜日

「吾輩は主婦である」を録画し忘れていて凹みながら仕事。6月くらいから古川日出男をまた一気読みしながら東京散歩を敢行しようと思い立つ。MotoGP250ccクラスでの高橋裕紀選手の初優勝に気持ちが湧き立つ。

_ 火曜日

W杯もあり商品露出が増える一方で対応に追われる。プライムタイムでの露出もあり。商品違いで普段見ている深夜のミュージック番組でも露出予定。これは観ちゃうな。海○はひと段落。オークションでちょっと高めに出ていると嬉しい。売り切れてごめんなさいってことで夏に追加で商品が出ます。お台場で買えるかと。ジムは二日連続で行く。1ヶ月で2キロ減量。先が長いなあ。GOING UNDER GROUNDを引っ張り出してきて聴きこむ。

_ 水曜日

今日で新規事業の立ち上げのコンテンツ作業はひと段落する予定。6月立ち上げで中旬から少し落ちつくかな。メディア関連も1年半やりこんでここでひとまずお休み。7月から仕事は6割程度に減らして芝居だの映画の予定を増やそうかなと考えていたりする。気が済んだらアウトプットする何かを始めるかも。ビジネス絡めるのが理想だけど。コンテンツ6月分も終了。今日もジム行こうっと。嵐だけど。これで週末は映画にいけるな。わーい。


2006-05-26 日本ダービー

_ 行きたい

7/28〜7/30 ポかリン記憶舎 「煙の行方」Tokyo Scape 京都・須佐命舎 出演:中島美紀、後藤飛鳥、市川梢、寺内亜矢

_ 最近行っていないポかリンだけど「煙の行方」の再演が京都の良い雰囲気の会場でとなると行きたくなる。遠征しようかなあ。

_ ダンス

7/29〜7/30 TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2006 〜次代を担う振付家の発掘〜 29

出演者:29日:きたまり(KIKIKIKIKIKI)、小浜正寛(ボクデス&チーム眼鏡、白井剛、康本雅子

30日:遠田誠(まことクラヴ)、岡本真理子、常樂泰(身体表現サークル)、山賀ざくろ 世田谷パブリックシアター

_ 散々書かれているけど出る人が?もうすでに次代を担っている方たちばかり?まんま吾妻橋じゃんという気も。唯一観たことがない噂のきたまりさんを観たいから行くとしたら29かな。ポかリンとどっちにしょっか。

_ 日本ダービー

最近は観るだけの競馬。ダービーだけは買いたいな。本命はメイショウサムソン、2冠の気配がする。過去の傾向もあり京都新聞杯組はもしかしたらレベル高いかもってことで藤田-トーホウアラン、鞍上を考えるとよこてん-ジャリスコライト。展開的に厳しそうだけどおさえでアドマイヤメイン。これの3連単で勝負予定。あとラジオたんぱ勝利馬として3着にはきそうなサクラメガワンダーが3連単だと気になる存在。今年の出走馬で好きなタイプはマルカシェンクなんだけどなあ。うーん…やっぱ今年はサニーブライアン-シルクジャスティスの年をなんか思い起こすなあ。


2006-05-29 生憎の雨で

_ 5/27(土)

生憎の雨。たまにはパンクな格好をしてゆこうと首にベルトがあるタイプのアッシュグレーの上着を羽織るがかなり違和感が…もっと痩せてからにしよう。普段どおりの格好で。上着が雨に弱い素材であることをつい忘れて結構濡れる。Def Tech/Catch The Wave をnanoに入れて

『マリコ/マリキータ』池澤夏樹 角川書店

『ぐるぐるまわるすべり台』中村航 文藝春秋

を持って出かける。最寄のバス停から乗車。新設の大学の建物を珍しげに眺めたり、体に合わない大ぶりの傘を持つ子供たちを横目に観ながら『マリコ/マリキータ』を読み、1時間ほどかけて乗っていると吉野町あたりで横浜らしい景色が広がりだし羽衣町で降りる。「太陽からもらっているエネルギー自然の恵み香り」というリリックが頭の中に流れる中、雨の街を歩いていきW杯に備えたイベントパークが広がる赤レンガに着く。軽く昼食をとり芝居を観る。観劇後は急いで桜木町のWINSへ行き、販売終了2分前になんとか購入。時間がないので予定を変更して馬複にする。これが功を奏し日曜は馬券を獲れることとなる。関内に戻り待ち合わせ時間までカフェで読書。近くの席の若い人たちがこの時期になると現れる俄日本代表ファンで、そんなに詳しくない私でも突っ込みたくなる内容の話が続く…何故か19時くらいで弊店だといわれ追い出される。長く居すぎたかのう。関内のカジュアルイタリアンで食事をする。ワインのセレクト、サービスが充実。料理も次第点以上。ひとり飯も出来そうだな。ボトル2本とグラス合計4杯くらいでふたりで¥33000ほどと安い。これは使えるお店だ。


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