ポかリン初演作の再演は、吃驚するほどオトボケ度が高く楽しかった。畳を売っていない畳屋を訪れる男たち、向いいれる四人姉妹とのやりとりにはトホホ感が漂いながら、やけに羨ましい。畳の香りや、金魚蜂の煌き、麦茶の潤い、浴衣とまどろみ、風鈴の囁き、夏の情緒に加え、リアルな音をコミカルに表現することによって徹底的に排除した手法が失った日常がファンタジーなんだなと郷愁的に感じさせる。四人姉妹に男たちを絡ませることによって、女という情念の膨らみとそれぞれの個性が際立って表現されている。