また今回も泣かされた。同年代のオカモト氏の少年ジャンプ的メッセージに強く共感。3人の少年・少女の友情と愛情、そして4人目の選択からあるシンボルへと向かう道筋。そして別れと未来。物語自体を今回はジュブナイルSFとして少年向けに特化しディフォルメ化した内容、演出だがそれでもこれだけ揺さぶられる。現在・過去の2部構成のかたちをとって物語の多層化を図っているが、これは少々欲張りすぎか。過去編のクライマックスの感情をそのまま余韻として残しながら、劇場を去りたかった。しかし、エンターテイメント劇団としてやはり最高峰の劇団だ。東京進出が本格化するとのことでこれからも注目していきたい。
ひどく甘い蜜を舐めてしまった。
子宮からの震動を互いに侵蝕させ、生理面のエロスの様々な局面を誘発させる。オブジェに蜜は流れ落ち、自らも汚れる。汚濁を切り裂くのは稚気と子供のような開けっぴろげさ。巧みな構成と演出効果で観客に自らのイメージを最大限に見せられる稀有な人材が黒田育世。女性の生理面や稚気も含めて思わず全肯定してしまうような公演だった。ダンス界のプリンセスは真の才能を持っている。