大人計画、毛皮族をはじめとする小劇場系の芝居でのエロスの表現は、まずは、カルチャーありきのPOP的なものであり、都会性=社会性を揶揄するものであった。今回観たポツドールにはエロスの部分から前出したカルチャーの部分が全く欠如している。田舎を舞台にしたことで、日常の断ち切れることのない円環する性の営みという生々しさが感じられる。その濃厚さは、その時々の人間関係の激情の吐き出し方とそれを包括する田舎の日常性の静かな演劇に新たな息吹と終焉を感じさせた。さて、ポツドール・三浦大輔はどこに向かうのか。