_ AGAPE store/しかたがない穴 紀伊国屋サザンシアター
_ 舞台はガルガル国。新種の生物・植物が生息していると思われる穴を調査するための居住・研究施設。居住空間はロビーAとロビー2の二つの六角形の空間を六つの部屋(六角形)がかこむというもの。部屋同士は鍵なしのドアが繋がっており行き来が可能。新種の生物を研究しに来た調査団の面々は何故か医者・ライター・カメラマン・通訳で、ひとりだけの肝心の調査員はガルガル人でヘリのロープから墜落して意識不明という設定。実に倉持裕らしい。内容は彼らの職業特色から来るパラノイアの伝染現象にヨーロッパ企画の上田さんが好みそうなある仕掛けを施したもの。倉持演出だとおそらくパラノイアの奇矯さへの転換が唐突に行われると予測できるがG2演出だとフェイズごとにぶつ切りといった感がある。役者では、キッチュはさすが、会話の話法が際立っているし、存在感も◎。小林高鹿は少々おとなしめ、いつものパワーがない。
_ 公演後はDVD収録用の特典の撮影。倉持裕と役者を交えてのトーク。ペンギンプルのおふたりは貫禄負けかおとなしめ。やはりキッチュの語り口が面白く。松永さんのキャラも面白い。土曜の昼公演のシリアスな場面で携帯の着信音(オースティン・パワーズ)が響いたところ、役者たちがどこかで聴いたなあ?と思っていたら実はこの舞台の演出のG2が犯人だった。とくだりには爆笑。演出家が自分の舞台で携帯鳴らすって前代未聞だよなあ。
_ 倉持さんにしては物足りないが、おまけも含めて楽しみました。