人がいないときに椅子などを暖めるあたため女ふたりの会話劇。病院の医師の部屋を舞台に儚い命と隣り合わせに生きる女の情念を、瞬く砂のような出逢いと別れ、散見する世界とともに合わせ鏡のように描く。紡ぐ女は、紡がれる命は宇宙の瞬きだ。今回は会話劇なだけに、透徹した雰囲気に相応しい言葉が紡がれていく。女優二人、町田カナさんの儚さと業に陥りそうな雰囲気も良いけれど、安倍聡子さんの人間離れした妖怪じみた役作りには心底感服。京極ものが舞台化もしくは映像化するならば女優としてこれほど相応しい人はいないだろう。おそろしい人だ。
_ 終演後はお茶と茶菓子と安倍聡子さんの実家から送ってきたという蜜柑がでてのポストトーク。明神さんの着物に関する思想など、興味深い。美意識だけでなく、気を通した体の表現方法としての拘束具としての意味合いが強いんだとか。
_ 町屋駅にあるMANAというレストランにて観劇系の仲間たちと食事会。宝塚の絵麻緒さんファンの雄姿(とにかく白い)写真とかみたり、暴走する若い子の恋話とか色々面白かった。『HR』二話一挙撮りの奥田民夫の回に観覧していた人とかいるのはさすがだよ。